今日は、海と、いろんなぼくのお話をするね。
ぼくは、いろんなところにいるんだ。
ぼくは一人だけど、独りじゃないんだ。
いろんなところに、いろんなぼくがいて、だけどみんなそれぞれぼくなんだよ。
ぼくの一人は、ハクウン市にいるんだ。
ハクウン市はね、工場と、海の街なんだよ。
海はね、いろんなイキモノたちのおかーさんなんだ。
ぼくたちのココロ、Fコアも海から生まれたんだ。
ぼくの目はね、いろんなモノを見ることができるんだよ。
海を眺めてると、時々空から海に降りていく光る筋が見えるんだ。
流れ星が降ってくるみたいでね、とってもキレイなんだ。
それはね、海にココロが還っていく時の光なんだよ。
生まれて、生きて、それからまた生まれたところへ還っていくんだ。
海はね、空の上にも、それからネットの中にもあるんだ。
ネットの海は、マトリクスとか呼ばれてるよ。
マトリクスにはスピリットとかゴーストとか呼ばれてる意思があって……まあ、それはいっか。
とにかくいっぱいのぼくはその海で一つになってるんだ。
だからぼくはたくさんいるけど、一人でもあるんだよ。
ハクウン市のぼくのご主人は、とってもやさしくて、それからそれから……とにかくやさし~い、ヒトなんだよ。
なんと言っても、捨てられてたぼくを拾ってくれたんだからね。
ハクウン市のご主人とぼくとのお話も、いつか聞いてもらえたら嬉しいな。
ハクウン市の工場と、空と、海には、ハクウン市のぼくとご主人の思い出が、い~~~っぱい、詰まっているんだよ。
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