メダロックライブ(その5)

18.M・R・1

「ここから全てが始まりました」
 というお言葉と共に、メダロット1のオープニング曲、「M・R・1」が始まりました。
 ロックアレンジされた「M・R・1」の生演奏と共に、大画面には次々とかつて私が描いた白黒4諧調のドット絵がスクリーンに映し出されていきました。
 メダロット2以降は私が描いたドット絵は無かったのですが、「M・R・1」では私の絵で大画面が埋め尽くされたのです。それまでの曲とは、また違った感動がありました。
 ゲームボーイのごく小さな画面で私が描いた世界が、ライブのステージの大きなスクリーンに映し出される日が来るなんて、夢のようでした。
 とても嬉しい反面、大写しにされることが少し恥ずかしくもありました。
 ゲームボーイのドット絵は、小さなゲームボーイの画面で見ることを前提に限られたドット数で描かれた絵のため、ステージの大きなスクリーンに映し出してお見せすることは想定外だったのです。
 白黒4諧調のドット絵と、ロックな生演奏のコラボです。
 アレンジで追加された部分もまた、まさにロックというカッコよさでした。
 ドラムで始まり、ギターの唸りと呼応するようなキーボードの音色、低音で楽曲に深みを出すベース、時に変則的に叩き方が変化するドラムは全体のリズムを乱すこともなく、本当にお見事でした。
 メダロットのオープニングは、シリーズ通じてどれもロックアレンジがとても似合いますね!

 それにしても大画面にはロボトルシーンなどに交じって、女子トイレ侵入シーンが出てきたところにも、映像を作られたスタッフの方のこだわりとメダロットらしさを感じました。

娘がマイクラで作ってくれた、メダロット1カブトバージョンのタイトル画面です。

 娘はマイクラで、私がやらかしていたドットの抜けとズレまで忠実に再現してくれました。
 メダロット1から20余年。私は娘に指摘されるまで、自ら描いたタイトル画面のドットの抜けとズレに気づきませんでした(クワガタバージョンのタイトル画面にも、同じく抜けとズレがあります)。
 私たちが作ったメダロットが発売20周年に3DSでクラシックスとなって蘇り、私のドット絵をファミ通様の紙面にドーンと載せていただいた時は、心底驚きました。
 さらにメダロットSのプロモーション動画では、私が描いたタイトル画面をトップで表示していただいたのですが、ドットの抜けとズレは当時のままなのです。
 お恥ずかしくも申し訳ない限りであります。

 他にも私はメタビー、ロクショウのドット絵を先生のデザインからアレンジしすぎて別人ならぬ別メダにしてしまっていたり、手が回り切らずイベントで使われないままの謎アイテムが大量に残ったりと、メダロット1にはあれやこれやとございます。
 ですがこのメダロット1があってのメダロットシリーズであり、「ここから全てが始まった」のです。
「ティンペット+頭部+右腕+左腕+脚部+メダル」というメダロットも、ロボトルの基本システムも、メダロット1があってこそでした。
 ゲーム制作当時、「M・R・1」の原曲を初めて聞いた時に私が感じた「カッコいい!」という痺れるような感覚と感動が、大迫力のライブで体感できたことにより、鮮やかに蘇りました。

 そして「M・R・1」の後は、アンコールの嵐でした。アンコールのタイミングも分かってらっしゃるとは皆様、流石です。
 みんなでロボロボを歌わずして帰れるわけがありませんからね。

19.OVERTHiNKiNG BOY

 アンコールの後EXiNA様がご登場し、圧倒的パフォーマンスで会場を盛り上げてくださいました。
 会場があっという間にEXiNA様色に染まりました。EXiNA様の存在感はものすごく、凄まじいばかりのパワーを放たれておりました。
 EXiNA様のライブを体験されたうのへえ様が、糸賀様にメダロックの制作をご依頼されたというお話しも納得です。
 EXiNA様はメダロットSのイメージソング、「OVERTHiNKiNG BOY」を歌われました。
OVERTHiNKiNG BOY」というタイトルは、EXiNA様ご自身や多くの人々にも当てはまるであろう「気がついたら考えすぎちゃってた」状態を表しているとか。
 図らずもこのタイトルは、イッキを彷彿とさせました。イッキはメダロットとメダロッターの関係について、考えすぎるぐらい考えこんでいた少年でしたからね。
 EXiNA様の堂々としたMC、声量、歌唱力、どれをとっても圧巻でした!
 EXiNA様は、まだ二十代前半の娘さんとは思えないオーラと輝きを放つお方でした。

……ちなみに私はEXiNA様の年齢の頃、ゲーム制作でオフィスにこもりきりの生活でした。ファンの方々の前に立つことなど、考えられませんでした。
 EXiNA様と私の過ごし方は対照的だったかもしれませんが、自分の作品で多くの方々を楽しませたい! という思いは、共通するものがあると思います。
 ステージの上から「楽しんで!」という心意気が伝わってきて、とてもアツい気持ちになれました。
 EXiNA様が皆様に向けてメダロットファミリーだと言ってくださったこと、本当に嬉しかったです。

20.M・R・4

 続く「M・R・4」……メダロット4のオープニング曲が始まり、ステージの大画面にはオープニングデモの映像が映し出されました。
 さらわれたカリンと、謎の四天王、そしてその頂点に立つラスボスのシルエットが浮かび上がり――。

さらわれた カリンの行方

共にたたかう仲間たち・・

なぞの少年
――――ミズチ

四天王とは?
そして・・・

新たなる
たたかいへ!

出典:メダロット4 

 メダロット1にはオープニングデモはありませんでした。
 そしてライブの大画面でも映し出されていたメダロット2、3のあのカッコいいオープニングデモに関しましては、全てグラフィッカーさんが考えて作成してくださったものでした。
 ですがこのメダロット4のオープニングデモの絵コンテと上記のセリフは、私が描(書)いて発注したものです(合間に挟まるカブト・クワガタが出るスクロール絵は、グラフィッカーさんが独自に挿入されたものです)。
 ライブの大画面でメダロット4の思い入れのあるオープニングデモが見られて、感激でした。

……余談ですが、「四天王とは?」のシーンの絵コンテ、四天王のシルエットの上にラスボスのシルエットをエクセルで描いた絵コンテをグラフィッカーさんにお渡ししたのですが、私はラスボスオロチがこう……両手をグワッ! と突き出す図にしていたんです。
 そうしたら両手とも親指の位置が左右逆になっており、当時のグラフィッカーさんには「手、逆……」と苦笑いされてしまいました。
 デスマーチで疲弊していたとはいえ、グラフィッカーの端くれとも思えぬ己のこの失態に、私も苦笑するしかなかったという痛ましい記憶も蘇りました……。
 本当に私は、色々とやらかしております。

 そしてメダロット4のオープニングデモに続いて大画面に大写しにされたのは、メイド少女姿のイッキと四天王の一人、コクエンのシーンでした。
DARK NIGHT」でご紹介した四天王の一人、「玄武のコクエン」。
 各地から花嫁候補としてかわいい女子小学生たちを集めさせていたコクエンが最も心奪われたのは、花園学園一の美少女でヒロインの一人でもあるカリン……ではなく、メイド服で女装したイッキでした。

 ライブ中大画面に映し出されていたのは、メイド姿のイッキが男だということがコクエンにバレる前後のシーンのように思いました。
 メイド絡みのイベントであったことだけは覚えております。

コクエン「カリンちゃんはねぇ
 ここには いないんだぁ
 だ・け・ど
 あとで その分 アリカちゃんを
 かわいがって あげるからねぇ💛」
イッキ(ひ~~~~~~っ
 たすけて~~~~~~~っ!!)

出典:メダロット4 

 さらわれたカリンの行方を探るため、アリカによりメイド姿に扮装させられたイッキは、せめてもの仕返しにと自らをアリカと名乗っておりました。
 そして親友コウジのピンチに、イッキは我が身の危険もかえりみず飛び出していったのです。

コウジ「イッキ・・・だよな?
 お前?」
コクエン「たたかうすがたも りりしく
 うつくしい・・・
 ・・・じゃない!
 きさまっ 何者だ!?」

出典:メダロット4 

……ここで一枚絵が入ります。
 メイド姿から元の姿に戻ったイッキを中心に、コウジとコクエンが描かれています。
 この一枚絵、当時私はメイド姿のイッキにするかどうかで悩んだのですが、流石にやりすぎかな? と思ってメイド姿はやめておきました。どこかからストップがかかって、リテイクを出されることを恐れたのです。追加料金と納期の問題が私の脳裏をよぎったのです。
 ですがその後のコクエンの暴走に一切ストップがかからなかったあたり、無用の心配だったのかもしれません。
 私は一枚絵の発注は全てエクセル絵による絵コンテでしていたように思うのですが、データはあまり残っておりません。
 オープニングデモに続き、こちらも私のエクセル絵無しでご覧ください。

コクエン「なぬ! 男!?」
イッキ「ぼくは テンリョウ イッキ
 コウジを つれもどしに 来た! 」
コクエン「きさまが あの
 テンリョウ イッキか!
 くーーーーーーっ オレごのみの
 女の子に ばけて
 オレを だますとは ゆるせんっ!!
 見ていろっ!!」

出典:メダロット4 

 イッキが男だと分かってからコクエンは、私がイベントスクリプトを担当していたクリア直前の章までは正気を保っていました。
 ですがクリア後にバイト氏にコクエンのイベントをお任せしたところ、コクエンはイッキを男と知りながらファンクラブまで作って「メイド少女~」とイッキを追い回すようになってしまいました。
 種をまいたのは私ですが、バイト氏の手によりコクエンはまごうことなきヘンタイ四天王随一のヘンタイへと進化を遂げたのでした。
……ステージの大画面にメイドイッキとコクエンのイベントが映し出されたあたり、やはりコクエンは己のコンプレックスに苦悩したり、改心して自らを危険にさらしてでもイッキに協力した姿より、ヘンタイのイメージの方が強烈だったのだな、と私は改めて思いました。

 思わぬ映像にゲーム制作当時の様々な記憶が蘇ってきておりましたが、「M・R・4」のカッコよさは、しっかりと私の身と心に押し寄せ響いていました!
 ギターとベースの音から始まって、ドッドッドッドッという心音のような音に、ドラムとキーボードの音も合わさっていきました。
 ギターの金属的な音とベースの低音が互いを引き立てあい、キーボードの旋律が彩りを加え、ドラムが時に引き締め、盛り上げる……!
 これだけ様々な音があって少しもズレたりしないのが本当に凄いです!
 どの曲にも言えることでしたが、あまりのカッコよさに魂が震えるようでした。
 最後の余韻の後、スタートボタンを押したらイッキの「メダロット4!」というタイトルコールが聞こえてきそうでした。

21.愛しきロボロボ団 (inspired by “ロボロボだん”)

 そしてライブもいよいよ最後の一曲。萌花様の「愛しきロボロボ団」となりました。
 この「愛しきロボロボ団」というタイトルは、私が歌詞を書き終わった後につけていただいたものです。
 私はロボロボ団員のゲームでの所業を歌詞に詰め込んだのですが、その結果、ロボロボ団のテーマは愛おしさに溢れたものとなっておりました。

 以下、「イカ焼き 耳だけ食べて捨てる」のイベントです。

イッキ「ロボロボ団!」
ロボロボ団員「イカやきの 耳だけ 食べて
 のこりは すてるロボ!」
イッキ「なっ・・・何て
 もったいないことをっ!
 食べものを そまつに するヤツは
 ゆるさないぞ! ロボロボ団!」
ロボロボ団員「ゆるさなければ どうするロボか?」
イッキ「こうするに きまってるだろっ!」
(ロボロボ団員とロボトル)
ロボロボ団員「どうして いつも 勝てないロボかー」
ロボロボ団員「こうなったら さいごの
 しゅだんロボ!」
(ロボロボ団員逃亡)

出典:メダロット4 

……この後、ロボロボ団員は無事に退治されました。
 私は先生の漫画に出てきた、「イカ焼きを耳だけ食べて残りは捨てる」というロボロボ団員の所業にロボロボ団の「悪の美学」を感じ、それをゲーム内のイベントにも取り入れさせていただいたのです。

「自分で仕掛けた ワナにかかる」「メダロッチにも入れちゃう」は、ゲーム内の一つのイベントで起こった出来事でした。

コウジ「・・・何やってんだ? お前」
ロボロボ団員「自分で しかけたトラップに
 引っかかったロボ!
 たすけてロボ!」
イッキ困「しょうがないな・・・」
(イッキは、ロボロボ団に被さった籠をどけてやる)
ロボロボ団員「たすかったロボ
 ありがとうロボ」
イッキ「それは よかった
 ところでさ ピンクのオーバーオールの
 女の子 知らない?」
ロボロボ団員「その子なら われわれの
 アジトに いるロボよ」
イッキ「やっぱり・・・」
コウジ「さぁ~ あんないしてもらおうか?」
ロボロボ団員「ロ・・・ロボッ?」
イッキ「アリカに 何か あったら
 ゆるさないぞ!」
ロボロボ団員「そ その シンパイは む・・・」
コウジ「その シンパイは ムダだと!?
 いそぐぞ イッキ!!」
イッキ「うん アリカを たすけに行こう!」
ロボロボ団員「それじゃ おれは
 かえらせてもらうロボ」
コウジ「にがすかッ!!」
ロボロボ団員「ロボーーーー!?」
イッキ「あ ロボロボが メダロッチに!!」
イッキ「・・・・・・・・・・・・」
コウジ「・・・・・・・・・・・・」
イッキ「ま いっか ロボロボだし」
コウジ「そうだな ロボロボだし」

出典:メダロット4 

……ちなみにロボロボが仕掛けたワナには、セレクト隊もはまります。
 セレクト隊はロボロボ団を取り締まる立場の、正義の組織のようなものです。
 ですがやることなすことロボロボ団員と同レベル、時としてそれ以下のセレクト隊は、イッキたちを助ける回数より邪魔する回数の方が多かったかもしれません。
 セレクト隊が有能だと、ロボロボ団が駆逐されてしまいますしね。

「一匹いれば三十匹」は、ゲーム内で複数のキャラクターが事あるごとに言っておりました。
 中でも以下のイベントが夏に出る例のアレを彷彿とさせ、恐怖を誘うのではないでしょうか。

イッキ「なんで こんなに
 ロボロボが いるんだろ?」
アリカ「そりゃ ロボロボは 1ぴき見つけたら
 30ぴきは いるって 言うからねー」
イッキ「こわいこと 言わないでよ・・・」
アリカ「なによ あんた こわいの?」
イッキ「べつに こわくは ないよ」
アリカ「ロボロボの 1ぴきや2ひき・・・」
(イッキが見えない位置から、ロボロボ×2が出てきて走り去る)
アリカ「3びきや 4ひき・・・」
(ロボロボが複数出てきて走り去る)
アリカ「5ひきや 6ぴきや 7ひきや
 8ぴきや 9ひきや 10ぴき・・・」
(ロボロボが大量に出てきて走り去る)
イッキ「アリカ?」
アリカ「な なんでもない なんでもない!!」

出典:メダロット4 

「男の子から おかし奪う」は、言葉通りのイベントでした。

ロボロボ団員「そのおかしを よこすロボ!」
男の子「何するんだよ やめろよ!」

出典:メダロット4 

「女の子 さらってみたら返り討ち」のエピソードに関しましては、メダロックレポート(その3)の「心の在処」でご紹介いたしました。

「ロボロボに愛の手を」は、メダロットにも人間扱いしてもらえなかったロボロボ団員の叫びです。
 イッキは山に住んでいたメダロットたちに、焼き芋を焼こうとして山火事を起こしたロボロボ団を懲らしめるように言います。
 そして「メダロット三原則」により人間を攻撃できないはずのメダロットたちは、ためらいもなくロボロボ団員たちを吹っ飛ばしたのです。

イッキ「アオダイショウに アカダイショウ!
 思いっきり やっちゃっていいよ」
(メダロットたちにボコボコにされるロボロボ団員たち)
ロボロボ団員「われわれも 人間ロボーーーッ!!」
ロボロボ団員「ロボロボ団にも
 アイの手をーーーっ!!」
(遙か、空のかなたへと吹っ飛ばされていくロボロボたち)
イッキ「ホームランだな」
アリカ「しかも 場外ね」
コウジ「しっかしよー なんで
『メダロット3げんそく』は
 ロボロボ団には
 てきようされないんだ?」
イッキ「ゴキブリなみの
 せいめい力だからじゃない?」
アリカ「・・・って いうかさ
 メダロットたちには あれが
 人間だって 分からないんじゃ?
 あたしたちだって ちゃんと
 かくにんしたこと ないのよ?」
イッキ「そういえば・・・」

 メダロット2以降、ロボロボ団員たちの衣装は「黒タイツ+サングラス+一本角」というスタイルから「ヘルメット+全身スーツ」というものに変化しました。
 生身の部分が全く見えなくなったのです。
 私はそんなロボロボ団員たちを「ロボロボ」という種族として扱うようにしました。
 それ故にロボロボ団員たちは、メダロットたちやメダロッチにまで人間と認識されず、成敗されたり転送されたりしたのです。
 ロボロボ団幹部たちに関しましては、従来通りの「黒タイツ+サングラス+二本角」というスタイルだったので、顔の一部が見えておりました。
 ですので私は幹部たちのみ、ロボロボ団であっても人間という扱いにしていました。

「あんまりいじめないでロボよ」は、悪事を働いてもどこか憎めないロボロボ団員たちらしいセリフです。
「どうして いじめるロボー!?」「いっ いじめないでロボー!」など、ロボロボ団員たちはゲーム中、イッキたちにやられた時などに言っておりました。
 ロボロボ団員たちは、ロボロボ幹部らからもぞんざいな扱いを受けていましたしね。
 基本的にロボロボ団員たちの日頃の行いのせいとはいえ、あまりいじめすぎると今度は逆にかわいそうに思えてしまう……そんな愛しきロボロボ団員たちです。

「ごほうび 目指して」「なんで 最後は こうなるの」は、ごほうび目指して日々悪事に励んでいるロボロボ団員たちが最後はいつもイッキたちに負けて、「けっきょく こうなるロボね・・・」とぼやいていたところからです。

「不滅の ロボロボ団」「愛と 野望が詰まってる」という歌詞に関しましては、ロボロボ団員の台詞にこういうものがありました。

ロボロボ団員「ロボロボ団は ふめつロボ!
 われわれのバックでは いつも
 ソウダイな ヤボウが
 うずを まいてるロボよ!」

「バックでは」という台詞が、哀愁を誘います。
 ちなみに、「我らは 素敵な ロボロボ団」という歌詞の候補もありました。この歌詞はアニメのキャラクターソング、「素敵ロボロボ団」をイメージしていました。

……以上のように、「これでもか!」というほどに、「愛しきロボロボ団」にはゲームの要素をギュウギュウに詰め込んでおりました。
 また「これが悪というものだ」という歌詞もありますが、ロボロボ団員たちは度を過ぎた悪を目にすると、「それはひどすぎるロボ」「さすがにわれわれでも、そんなひどいことはできないロボ」といった反応を示すようにしておりました。
 ロボロボ団幹部があまりに行き過ぎたエグイ命令を出したりすると、ロボロボ団員は抵抗感を持つのです。
 ロボロボの悪の美学を貫こうとする限り、ロボロボ団の世界征服の道は遠そうです。ロボロボ団員には、「ロボロボ三原則」でもあるのかもしれません。

 そんな壮大な愛と野望が詰め込まれた「愛しきロボロボ団」は、かわいらしい萌花様の歌声とMEDAROCKSの皆様の演奏、そして会場のファンの皆様が一体となりロボロボを大合唱するという、最高の大団円を迎えました!
金魚鉢になってからかわいらしさを増したロボロボ団員でしたが、16歳の現役女子高生である萌花様が歌われることで、そのかわいらしさは最高レベルにまで達しました。
ロボロボ団員がここまでかわいらしくなってしまうと、心おきなくやっつけることはできません。悪事を働いても笑顔で許してしまいそうです。入団者も殺到することでしょう。……例え自給300円の超ブラック団体でも。
 萌花様の「なんで最後はこうなるの?」で、ライブ会場全体がロボロボ団のアジトになった気がしました。
 そしてうのへえ様渾身の、エコーが掛かった「ロボーーーッ!!」が何度も会場に響き渡りました。
 本当に渾身の「ロボーーーッ!!」だったので、この後二部が控えていることを思うと、うのへえ様のお喉が心配ではありましたが、素晴らしかったです!

……ライブで演奏された楽曲のレポートは以上となります。当時のゲームネタもふんだんに盛り込みましたのでかなり濃密になったと思いますが、いかがでしたでしょうか?
 メダロックライブレポートは今回で終わ……りません。まだ続きがあります。
 あと1回です。最後までお付き合いいただければ幸いです♪

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