メダロックライブレポート(その3)

 メダロックライブレポートは、まだまだ終わりません!
 前回に引き続き、語っていきます。

08.M・R・5

M・R・5」と「Beat The Diamonds」はメダロット5の曲なので、私が関わった作品ではありませんが、どちらの曲もすごくメダロットでした。
 私はメダロットの開発チームから抜けたものの、メダロット5はそれまでメダロットの制作に関わっていたスタッフの方々が引き続き作っておられましたし、原曲の制作も同じ方でしたしね。
 メダロット5は、主人公のコイシマルくんがゲーム開始早々肥溜めに落とされるという衝撃の展開が印象的でした。
 そして「M・R・5」がオープニングかつロボトル曲、というのはメダロット1~4にはなかったパターンだったので驚きでした。
 カッコいいオープニング曲でロボトルができるって、いいですよね!
 メダロックになった「M・R・5」でも、ロボトルしてみたいものです。

 メダロット5もシナリオを担当された方は女性だったのですが、マップの至るところで見られた細やかなこだわりは、やはり女性ならではだったからかもしれません。
 私も女性ではあるのですが、私はおおよそ女性らしからぬ大雑把な性格で、残念ながら細やかな気配りといったものからはかけ離れております。

 メダロックにアレンジされた「M・R・5」は金属的な重い音から始まって、それが軽快なメロディーとテンポに変わり、再び重低音に変わる感じでした。
 軽快な感じと、重低音の緩急は、本当にクールですね!
 途中ビートを刻み続ける感じの部分もカッコよかったです。
 皆様の「ヴォイ! ヴォイ!」がこの曲でも生きていました。 ステージと会場が一体になって一つの音楽を作るというのは、ライブならではの素晴らしいものですね!

09.魔の十日間

魔の十日間」はメダロット1の曲です。
 原曲は敵の本拠地に乗り込む時などに流れていたと思いますが、スローテンポで不気味かつ不穏な空気が漂う曲調でした。
 アレンジされた「魔の十日間」は、アップテンポで激しくなっております。
 本拠地潜入、というよりはラスボス戦の戦闘曲のようです。それでいて心をざわつかせるような、原曲にあった不安げな要素も残されておりました。
 メダロット1にはラスボス戦の曲が無いのですが、ラスボスのビーストマスターとはぜひこの曲で戦ってみたい!……そんな風に思える一曲でした。

魔の十日間」は、「セレクト隊の本社ビルのようなところから怪電波が発信されて、セレクトメダルを装着していたメダロットたちが暴走する」という事件を指す言葉でした。
 ですが「魔の十日間」 という言葉は、ゲームには出していなかったんですよね。ゲームでは昼夜の区別もなかったので日にちの感覚が無く、「十日」というのがピンとこなかったかったからかもしれません。
 メダロックの「魔の十日間」を聴きながら、「魔の十日間」という言葉の響き、カッコよかったのでゲームでも使いたいなぁ、と思いつつその余裕がないまま終わってしまったことなども思い出しておりました。

……ハッ。「魔の十日間」の曲の時、大画面には何が表示されていたのでしょうか。
 耳から入り全身で感じる津波のような音と、ライブの空間の視覚情報、脳裏に呼び起こされていた当時の記憶や感情……入り混じって、私の脳の処理が追い付いていませんでした。
 これが、「魔の十日間」……!

10.心の在処

心の在処」で千菅 春香様が登場です。
 ベースの「信ちゃん」様とドラムの「のんたん」様が、「心の在処」がとても好きで寝る前に必ず聴いてらっしゃるというお話しをしてくださいました。
 千菅様が歌われる「心の在処」はアリカの可愛い部分を抽出して凝縮したようで、世の男性の多くがときめいてしまう、そんな魅力を放っておりました。
 歌声、歌い方、すべてが夢のような、現実離れしたレベルでかわいらしかったのです。
 こんなかわいらしいヒロインならば、心奪われて当然です。私もときめきました。

 ところでゲームのアリカはと言えば、歌のイメージとは打って変わりかなりの傍若無人っぷりを発揮しております。
 元々アリカはシリーズを通じてジャイアントスイングの勢いでイッキを振り回し続け、イッキの練習相手という設定ながらロボトルの腕は最強クラスを誇り、敵のアジトを単身で殲滅するという、かよわさの対極にいるような女の子でした。

ロボロボ団員「まさか われわれの アジトが
 たった1人の小学生
 しかも 女の子に 攻めおとされるとは
 ユメにも 思わなかったロボ・・・」
ロボロボ団員「ギンジョウ小の 女の子は
 バケモノか!? ロボ」
イッキ「いや たぶん アリカにしか
 できないんじゃ ないかなぁ?」
コウジ「そういや・・・
 おれが 聞いたのは さけび声で
 ヒメイじゃ なかったな」
ロボロボ団員「おうえんを よぼうと
 なんとか にげだしたところを
 おれは お前たちに
 つかまったロボよ」
イッキ「そうだったのか・・・」
アリカ「なによ~ みんなして
 人を オニか アクマみたいに」
ロボロボ団員「オニ ロボか?」
ロボロボ団員「アクマ ロボか?」
ロボロボ団員「むしろ だいまおうロボ~!!」
(アリカに往復ビンタされるロボロボ団員たち)
アリカ「かよわい おとめ つかまえて
 何 言ってんのよ!」
イッキ「かよわい?」
コウジ「おとめ?」
ロボロボ団員「どこに いるロボか?」
(全員往復ビンタ)

出典:メダロット4

……イッキとイッキの仲間でありライバルでもあるコウジ、そして敵であるはずのロボロボ団員たちの見解が一致し、敵味方の区別なくその場にいた全員がヒロイン、アリカに成敗されたシーンです。

 そんなアリカがかわいらしい態度をイッキに見せるようになったのは、メダロット4でイベントを担当したバイト氏の功績でした(つまり私ではありません)。
 そして原曲も、原曲に付け加えられてアレンジされたメロディーもとてもかわいらしいものでしたので、私は極力アリカのかわいらしくも女の子らしい部分を歌詞に込めたのです(「気まぐれで荒れ模様」、という部分に傍若無人なゲームのアリカの片鱗を詰めておきました)。
 さらに千菅様がキュートなお声で歌い上げてくださったことにより、「心の在処」は私の予想を遥かに超えてかわいらしく、世の男性のハートを掴むステキな歌になりました。
 あまりのかわいらしさに、元のアリカの所業をよく知る……と申しますか、そのアリカの所業を生み出した私自身が受けた衝撃が凄かったです。
 これもギャップ萌え……ということで……?(混乱)

……MEDAROCKSの皆様は(年代的にも)ゲームボーイ版のメダロットを未プレイとのことでしたので、ゲームのアリカを知ったらどう思われるのだろう、などと思いました。
心の在処」でかわいいヒロインだと思っていたら、ゲーム序盤から練習相手のハズが最強クラスの実力を持つアリカから容赦なく叩きのめされ、ゲーム内のイベントでも散々な目に遭わされる悲喜劇……。
 せめて歌の中だけでも、かわいらしいアリカを堪能したい……「心の在処」は、メダロッターの皆様にそんな思いを抱かせる歌になったのかもしれません。

11.悪ガキのテーマ

悪ガキのテーマ」は、キクヒメ、イワノイ、カガミヤマの悪ガキ三人組、スクリューズのテーマ曲です。

 スクリューズは、ゲーム開始早々に卑怯な手で小学校のロボトル大会の優勝をかっさらった上に、まだ1体しかメダロットのいなかったイッキに3対1で問答無用のロボトルを仕掛けてきたり、公園を占拠して「公園を使いたければ1時間1パーツ」を請求したりと 、存分に悪ガキっぷりを発揮していました。

キクヒメ「 勝てるしょうぶを するのが  あたしの モットーよぉ」

出典:メダロット4

 メダロット2~4のシリーズ通じて、毎度序盤から彼らは悪ガキらしく悪さをしでかしていた彼らはまさに、「BAD GUY」だったのです。

 ですがイッキはイッキで、スクリューズにやられっぱなしではありません。
 スクリューズの悪事はイッキ(たち)によっていつも阻止されました。悪事を働いてもうまくいかない辺りは、ロボロボ団に通じるものがあります。
 カッコよさの中にも、軽快でコミカルな要素が含まれている「悪ガキのテーマ」は、とてもスクリューズ「らしさ」を感じさせる一曲と言えました。

 メダロット4で私は、楽しく海で泳いでいたスクリューズたちが、特訓のため泳ぐことが許されなかったイッキたちをあざ笑う、というイベントを作りました。

キクヒメ「あたしたちはねぇ あんたたちと
 ちがって 今日は 1日中
 思いっっっきり あそべたんだからぁ」
イワノイ「お前らは 毎日
 スパルタきょうしの シゴキだー!」
カガミヤマ「水の中は つめたくて 気持ちいー!」
アリカ「何よーっ! すき勝手 言ってるんじゃ
 ないわよーっ!
 こっちは すきで やってんじゃ
 ないのよっ!」
イワノイ「やーい くやしかったら
 ここまで 来てみろー!」
キクヒメ「これで あんたたちの 夏も
 おわりねぇ」

出典:メダロット4

 その後色々あってイッキがホテルにいたところに、日焼けの痛みに苦しみながらスクリューズがやってきます。
 スクリューズは三人とも、少し触れられただけで激痛が走る状態です。

イワノイ「あねごー 体がー
体が・・・ ヒリヒリ・・・」
キクヒメ「ち・・・近よるんじゃ ないよっ!」
カガミヤマ「いたいー いたいー」
イッキ(なーるほど あいつら
ひやけしすぎて はだが
ヒリヒリしてんだな)
イッキ「やー お前ら ひるまは ずいぶん
楽しそうだったけど
どーかしたかー?」
キクヒメ「!!!!!!!・・・ぎゃあああっ!!」
イワノイ「ああ あねご!」
カガミヤマ「しっかり!」
キクヒメ「何 しやがんだよっ!」
イッキ「何って あいさつだよ」
キクヒメ「あああたしに さわんじゃないわよぉ!」
イッキ「さわるなといわれると さわりたくなる」
キクヒメ「ヘ ヘンタイ!!」
イッキ「ふっふっふ・・・
 えいっ!」
キクヒメ「ぎゃああああっ!!!」
イワノイ「あねごに 何をする!」
イッキ「じゃ お前に」
イワノイ「ぐぎゃああっ!!!!」
イッキ「えいっ!」
イワノイ「うぎゃあああっ!!!!」
カガミヤマ「こ・・・来ないでっ!!」
イッキ「さっきの おかえしだーっ!」

出典:メダロット4

 悲鳴を上げて逃げ惑うスクリューズを、普段は大人しいイッキが笑顔で追いかけまわすのです。
「覚えてなさいよぉ!」と捨て台詞を吐いて去っていくキクヒメたちに、「あー面白かった」と笑顔を浮かべるイッキの姿に、溜飲も下がるというものでした。
 そしてスクリューズのイベントの間は、ずっと「悪ガキのテーマ」が流れていました。
 上記のイベントを、メダロックアレンジされた「悪ガキのテーマ」を聴きながらプレイしてみたいものです。きっとイメージピッタリだと思います!

 普段は卑怯な手を平気で使いロクなことをせず、立派な「BAD GUY」っぷりを発揮しているスクリューズでしたが、憎めないところもあり完全な悪ではありません。
 私はシリーズ通じて必ずゲームの中盤~終盤で、問題解決のため、または共通の敵を倒すため、スクリューズがイッキたちに協力するイベントを用意し、彼ら三人の見せ場を作っておりました。

 そんな愛すべき悪ガキたちのテーマが、ロックにカッコよく、そして原曲にもあったコミカルな要素もちゃんと含めてアレンジされていたのです!
 ライブでの「悪ガキのテーマ」は、糸賀様のスキャット成分濃い目で痺れました。声でありながら楽器の一つであるかのように、MEDAROCKSの皆様の演奏と見事に共鳴されておりました。
 糸賀様の生「バッガイ!」も、クールでした!
 今回のライブは歌い手の方が全て女性でしたので、糸賀様のスキャットが際立ちました。
 会場の皆様も男性がほとんどでしたので、「ヴォイ! ヴォイ!」の合唱は低いトーンでほぼ統一されていて、それもまたロックでした。

12.Judgment of God

Judgment of Got」はメダロット2のラスボス曲です。
 戦闘曲にはアップテンポで激しいものが多かったですが、こちらは不気味なスローテンポのラスボス曲です。

 無機質な外骨格。話の通じる相手ではありません。圧倒的な強さです。
 強い! 強すぎる! この敵には、勝てない……!
……そんな絶望感が、メダロックアレンジによってより引き立てられていました。
 声のようなエフェクトも相まって荘厳さが増し、邪教の神殿にでもいるかのようでした。
 絶望の神……そんな表現が似合う空気感でした。

 メダロット2のラスボスと言えば、シャコをモチーフにしたゴッドエンペラーです。
 シャコで思い浮かべるのはシャコパンチですが、ゴッドエンペラーは射撃タイプでした。

頭部:デスブレイク
右腕:デスミサイル
左腕:デスレーザー
脚部:デスクローラー


 各パーツの名前からして、完全に息の根を止めにきています。
 そして装着されているメダルは、悪の科学者ヘベレケ博士によりリミッターを外され最初からメダフォースがマックス状態で、さらにメダフォース「いっせいしゃげき」を習得済みのカブトメダルでした。
 つまりバトル開始早々、いきなり三つのデスがつく凶悪パーツで一斉射撃されるんですよ! しかもそれが3体がかりで襲い掛かってくるのです!

……ちなみにヘベレケ博士は、「ギャルにモテモテになりたい」という己の欲望を叶えるために、世界征服を企んでいました。
 世界征服の動機はなんでもよかったのですが、とにかく理由を作ることで「私欲のために世界征服」という悪の博士の特徴を際立たせたいと、私は考えました。
「ギャルにモテモテになりたい」という理由づけは、当時ドラゴンボールを視聴していた私が、亀仙人を思い浮かべてなんとなく決めたのでした。

 ヘベレケ博士は、私利私欲に駆られずメダロットと共により良き世界を作ろうと日々頑張っているメダロット博士とは、対極の人です。
 思考が悪よりな私は、ヘベレケ博士も好きだったりします。
 幼い頃戦隊ヒーローものを見て私が憧れたのは、ヒーローよりも「悪の科学者」でした。
 自らの欲望を叶えることが人をも喜ばせることであれば、結果的に大きな社会貢献も成し遂げられるように思います。
 ヘベレケ博士の場合は己の欲望が人の望みと合致しなかったので、はた迷惑なおじいちゃんになってしまった、というお話しでした。
 ですが私はヘベレケ博士の、「目的を貫くために力を尽くす」というその姿勢は好きなのです。

 そんなヘベレケ博士が繰り出したゴッドエンペラーですが、メダロットは元となっていたシステムがマジック・ザ・ギャザリングというカードゲームだったので、実は対策さえ知っていれば割と簡単に勝てる相手なのです。
 ですが対策を知らずにゴリ押しで戦おうとすると、反撃の余地すらなく消し炭にされてしまうのです。
……これが、ゴッドエンペラーが皆様のトラウマになった由縁でしょうか。

ドッゴオオオオオオォォォォン!!
グルゥアアアウゥゥゥゥッ!!

出典:メダロット2

……ライブで大画面に映し出されていた、ゴッドエンペラーが壁を突き破って登場するシーンです。
Judgment of Got」の演奏中、ゴッドエンペラーの登場シーンが映し出される度に、メダロッターの皆様から「おおー」「うおっ」「はぁあ~」といった歓声のような、悲鳴のような、ため息交じりの悲痛な声が上がっていました。

 大画面を背にして演奏しておられたMEDAROCKSの皆様は、なぜ会場から声が上がっていたのか不思議に思われたようでした。
 何が映し出されていたのか? というご質問に対し、会場からは「トラウマ」という言葉が返ってきました。
「もう一度映してみて」のお言葉でゴッドエンペラー登場シーンが大画面に映し出される度、皆様の口から声が漏れるのがMEDAROCKSの皆様は面白かったみたいで、何度もそのシーンが大画面に映し出されていました。

 ゴッドエンペラーをラスボス戦のイベントで登場させた私ですが、私自身はゴッドエンペラー戦を体験しておりません。シナリオを作り、「戦闘」「ヘベレケ」「ラスボス」といったコマンドを一行入れただけでした。
 私はゴッドエンペラーが当時のメダロッターの皆様のトラウマになっていたことを、メダロックライブでリアルに知り、体験することができたのです!

 メダロックで二十年前のゴッドエンペラー戦のトラウマを脳裏に蘇らせた皆様のお姿を見て、私はメダロックで当時の記憶が蘇ったのは制作者側の私だけではないのだと実感しました。
 私は大写しにされるゴッドエンペラーの姿を見た皆様の口から漏れた悲鳴が、そのご反応が、心の底から嬉しかったのです。
 大画面の映像もさることながら、今でも私たちが生み出したメダロットのゲームを愛してくださっているファンの方々がいらっしゃって、そしてメダロックのアレンジとMEDAROCKSの皆様の演奏が本当に素晴らしかったからこそ、体験できたことだったのです。

13.DARK NIGHT

DARK NIGHT」は、メダロット4の中ボス曲です。
 織田 かおり様の生の歌声はすごい迫力でした!
 ラスボス曲の風格です。初出がロボロボ団戦とは思えない迫力です。
 その迫力に捻り潰されました。CDでお聴きするのとは段違いの迫力です。
 元々カッコよかった原曲が、ロックなアレンジと、MEDAROCKSの皆様の演奏と、織田様という歌い手を得て、何ということでしょう!……まさに絶望を与える恐怖の神の姿を纏って降臨したのです。
 私は己の無力さと身の程を思い知らされ、消し飛びました。

 初出こそロボロボ団員戦の「DARK NIGHT」ではありましたが、主に四天王とのロボトルで流れていました。
 四天王とは、ビーストキング、オロチが各地から集めた子どもたちで、イッキたちと同じく全員小学生でした。
 それぞれのキャラの簡単なご説明と、ロボトルに至るまでのやり取りを載せます。

●玄武のコクエン
 コクエンは、「花嫁候補」と称して各地の小学校からかわいい女の子を攫ってハーレムを作ろうとしていました。

 そんな彼は、コンプレックスの塊ゆえに弱い自分を隠そうと、強い力を追い求めていたのでした。

コクエン「ハンッ! だれが てめぇらの
 めいれいなんざ 聞いてやるかよ!
 オレに めいれい したけりゃ
 勝ってみせろ! じつりょくでな!!」
イッキ「コクエン・・・どうして そこまで」
コクエン「うるせぇ!
 よわいヤツはな 何されたって
 もんくは 言えねぇんだよッ!!」
りんたろう「なんか かなしいヤツだぜ・・・」
コクエン「てめぇ! そんな目で おれを
 見るんじゃねぇッ!!」
たまを「・・・・・・・・・」
コクエン「チクショウ・・・
 てめぇらも そうやって
 オレを 見下すのかあぁッ!!」

出典:メダロット4

●白虎のハクマ
 自らの感情や望みを封じて人々の幸せを願っていたという、四天王中最もいい子でした。
 カリスマ性を持つ彼は、シンラ村で住人たちの信望を集めていました。
 そしてハクマの願いを叶えようとした忠臣ビャクヤの暴走により、一つの村が狂信者の教団のようになってしまったのです。

 そんな彼でしたが、本当は対等な立場で共に笑いあえる友だちが欲しいだけの、孤独な少年だったのです。

ハクマ「ぼくが 正しいのか それとも
 きみたちが 正しいのか・・・
 しんじつは ひとつだけ
 けっちゃくを つけよう」
イッキ「ぼくたちは まけない!
 しょうぶだ ハクマ!」

出典:メダロット4

●朱雀のシュリ
 美しいものこそが正義という、歪んだ観念を持っていたシュリは、花園学園一の美少女で、ヒロインの一人でもあるカリンに強い執着を見せます。

 そんな彼女が本当に望んでいたものは「美しいもの」ではなく、父の愛でした。

シュリ「だって そうじゃない?
 ここにたどりついたのは
 あなた1人だけ
 ・・・と いうことは あなたは
 ほかの人たちを おきざりにした」
イッキ「・・・・・・!」
シュリ「あら くやしいの?
 言いかえせないから?
 ふふふ うふふふふ
 あーはっはっはっは!」
イッキ「わらうなっ!!
 みんな みんな ひっしの 思いで
 ぼくを 先に 行かせてくれたんだ!
 シュリっ しょうぶだっ!!」
シュリ「カリンは わたさないわ!
 わたしの じゃまをする者は・・・
 お前は ゆるさない!」

出典:メダロット4

●青龍のミズチ
 メダロットに感情や三原則はいらないと主張し、メダロットたちを支配下に置く世界を理想として、その世界にイッキを取り込もうとしていました。

 そんな彼は、かつて事故でパートナーのメダロットを失い、心に深い傷を負ったが故に、歪んだ理想郷を追い求めるようになったのでした。

ミズチ「『レゾナンスシステム』てきおうしゃ
 こそが せかいの
 トップに 立つ者なのだ
 大人より 子どもの方が より
 てきおうりょくが ある
 イッキ
 ・・・お前が
 おれと いっしょに 来ていれば
 このシステムの すばらしさを
 あじわうことが できたのに」
イッキ「こんなのが・・・こんなのが
 メダロットの しあわせだなんて
 うそだっ!
 ミズチ きみが めざしているのは
 りそうきょうなんかじゃない
 そんな せかい あくむだ!
 目を さましてよ ミズチっ!!」
ミズチ「メダロッチなどに たよっている
 かぎり じんるいに
 しんぽは ありえない」
イッキ「ミズチ? どこへ・・・」
ミズチ「・・・・・・・・」

出典:メダロット4

 四天王たちは、それぞれ戦う理由と苦悩を抱えていました。
 四天王とのバトルに至る対決シーンは「DARK NIGHT」の曲にふさわしく、アツい展開にしたつもりです。
 そしてイッキとの対決に敗れた後、四天王たちはイッキの信念に心打たれて力を貸すようになるのでした。
……そんな四天王たちでしたが、ホ●、教祖、レ●、ストーカーというヘンタイ四天王という顔の方が目立っていたかもしれない、という部分も含めて、「カッコいい」だけでは終わらない「メダロットらしさ」だと思っています。

 織田様の歌とMEDAROCKSの皆様の演奏による「DARK NIGHT」には、四天王たちとメダロットの「カッコよさ」成分が濃縮されていました。

 かなり濃い目のお話しが続くのでなかなか終わりませんが、今回はここまでです。
 懲りずに続きもお読みいただければ嬉しいです。
……それではまた次回、お楽しみに♪

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補足:
「悪ガキのテーマ」はスクリューズの3人組ではなく、初代の悪ガキのテーマでした。
20年の時を経て、私の中ですごい勘違いと思い込みが発生していたようです。
「悪ガキ」違いでしたが、私の思い描く「悪ガキ3人組」のカッコよくてコミカルなイメージが伝わればと思います。

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