メダロックライブレポート(その1)

 うのへえ様より「ご家族もご一緒に」とおっしゃっていただいたので、 メダロックライブには娘と二人でメダロックTシャツを着て参加いたしました。
 東京に行くのは十年以上ぶりでした。
 大阪から東京まで新幹線で約三時間。
 複雑な路線図に戸惑いつつも、なんとか東京駅から渋谷駅へ行き、会場へとたどり着きました。

 うのへえ様より事前にメダロックライブのチケットを送っていただいていたのですが、メダロックライブの注意書きに「チケットを忘れた方は入れません」とあったので、うっかり忘れないよう緊張しておりました。
 ですが当日は関係者ということで、うのへえ様より「名乗ればチケットは無くても並ばず入れる」旨のメールをいただき、うっかり者の私はホッとしました(念のためチケットは持っていきました)。
 会場の受付でドキドキしながらスタッフの方に名を名乗りましたところ確認が取れ、無事に会場入りができました。
 その際、関係者シールを見えるところに貼るように言われました。
 私の腕の関係者シールにお気づきの方も、もしかしたらいらっしゃったかもしれません。

 会場に入ってすぐ娘と二人、スタッフの方に7階の特別室のような場所に案内されました(ちなみにリハーサル中でした)。
 着席してガラス越しに頭上からライブ会場を見学する、といったお部屋です。
 うのへい様からは、「制作陣の中では平野さんが唯一観客としてライブに参加できるので、ぜひ肌で感じて感想をいただけると嬉しいです!」というメールをいただいていたので、「えっ!? ここなんですか!?」という言葉が思わず口をついて出ました。
 オールスタンディングでファンの皆様と同じ空間で……と思っていた私は、驚き戸惑いました。
「はい。お名前をお伝えしたところ、ここに通すよう言われました」
「そ、そうなんですか……」
 呆然としつつも、その時は一部開演までまだ時間があったので、とりあえず下の階に降りることにしました。

 展示コーナー、物販コーナーでお見掛けしたのはほとんどが成人男性でしたが、女性もいらっしゃいました。
 MEDAROCKSの皆様と歌い手の方々のファンの皆様がいらっしゃるのはもちろんのこと、ここにいらっしゃる多くの方々がメダロットファンなのだと思うと、感慨深いものがありました。

 しばらくは娘とARや交換ノート、お絵描きパネルを見たりして過ごしました。
 カウンターの向こうには、ロボロボ団員さんのお姿が!
 ロボロボ団員さんからはクロスメサイアカードをいただき、右手の甲に小さく優しく「s」の文字を書いていただきました。
 ロボロボ団員さんからは優しさのオーラが溢れていました。セレクト隊がいなくても安心です。

メダロックライブ会場
カレーくじで並んでいた時に撮りました。

 続いて快盗レトルトカレーくじのコーナーに並びました。 そこには、快盗レトルトのお姿をした快盗レトルトレディ(?)が!
 そして私もファンの皆様と同じように並び、同じようにくじを引けるのが、嬉しかったです。
 ですが、私には一抹の不安がありました。
 それは、私がメダロッターの方々と同じようにくじを引くことにより、私に豪華景品が当たってしまうことです。
 私の目的はあくまでカレー&スプーンです。
 豪華景品は、ぜひともメダロッターの皆様に当てていただきたい。その一心で、二回だけくじを引かせていただきました。
 その時はカレー&スプーンが当たり、ホッとしたと同時にとても喜びました。
 快盗レトルトカレーは、 無事に快盗レトルトスプーンで食することができそうです。

 その日はうのへえ様に、糸賀様を紹介していただけるとのことでした。
 メダロック作詞をお引き受けしたときから、 糸賀様とはメールやツイッターではたくさんやり取りをさせていただいておりました。
 またYouTubeのメダロットチャンネルでは糸賀様のお姿やお声を、私が一方的に拝見&拝聴していましたが、糸賀様はまだ私の姿形をご存じありませんでした。
 ですが当然ながら、ライブ当日はうのへえ様も糸賀様も大忙しです。
 もちろん、ご挨拶よりライブが優先です。
 しかも私は未成年の娘連れということもあって一部しか参加できなかったので、タイミングによってはお目通りがかなわないかもしれませんでした。次回の機会となると、大阪在住の私はいつになるか分かりません。
 気ばかりが焦っておりましたが、そんな時うのへえ様が目の前を通りがかってくださったので、お声をかけさせていただきました。

 お忙しい中、うのへえ様は快く応じてくださり、「糸賀さんにご紹介します!」と私たちを控室の方に案内してくださいました。
 エレベーターの中でうのへえ様は「いやー、もうバタバタですよー」と笑顔でおっしゃっていました。
 私見ですがその時のうのへえ様の表情からは、「無事晴れの日を迎えられて、そのために忙しいのが嬉しい」……といった空気が伝わってきました。

 控室前に着くなりうのへえ様は、「糸賀さーん! 糸賀さーーん!」と大きな声で糸賀様のお名前を呼ばれました(この時、うのへえ様の呼びかけに反応したのか、一瞬だけお隣の控室から顔を出されたベースご担当の「信ちゃん」様をお見掛けしましたが、ご挨拶はかないませんでした)。

 ライブまで時間が無いので、大急ぎです。うのへえ様は大急ぎで呼ばれていましたが、うのへえ様が控室のドアを開けたら、糸賀様は控室にいらっしゃいました。
「糸賀さん! 平野さんです!」
 糸賀様は私の姿を見かけるなり、席を立ち歩み寄ってきてくださいました。
「初めまして、平野で……」
「おーっ、平野さんっ! どうもご迷惑をお掛けしました!」
 私がご挨拶の言葉を言い切るかどうかのタイミングで糸賀様は両手で私の右手を握り、アツい握手をしてくださいました。
「あ、いえ、そんな、とんでもないです」
 糸賀様の握手が両手でしたので、私は糸賀様の手に左手をそっと、添えさせていただきました。
糸賀様は、
「娘も握手していただきたいと言っているのですが、よろしいですか?」
……というこちらの要望にも快く応じてくださり、娘とも握手してくださいました。
「俺の握手はそんなに価値ないよ?」
 糸賀様は娘と握手してくださった際、そんなことをおっしゃっていましたが、糸賀様との握手に価値がないはずがありません。糸賀様は、メダロックライブの立役者のお一人なのです。
 娘はその後うのへえ様とも握手していただき、とても喜んでいました。

 私は今年の4月にあったメダロット部@難波のイベントにも行かせていただいたのですが、その時も娘と二人で行きました。
 メダロット部@難波のイベントの存在を知り、「行きたい!」と言って私を連れ出してくれたのは、他でもない娘だったのです。
「お母さんの仕事が知りたい!」という娘のたっての希望でした。
 娘に連れて行ってもらった難波のイベントで私はうのへえ様と出会い、そのご縁でメダロックの作詞のお仕事をいただけたのです。
 そういった意味で、娘もメダロックに一役買ったと言えるのではないでしょうか。
 娘がいなければ、私は一人で難波のイベントに行くことはなかったと思います。結果、今回の素晴らしいイベントにご招待いただくこともなかったことでしょう。
 難波の時の「うのへえさんに握手してもらえばよかった!」という娘の想いは、今回のライブイベントで無事果たされました。

「平野さんは今日、上で見られるんですかね?」
「いえっ! 観客席で!」
 小さな握手会の後、糸賀様のご質問にうのへえ様は力強く即答されました。
「上」とは、最初に通された特別室のことでしょう。
 私はうのへえ様が即答してくださったことが、嬉しかったです。
 やはりガラス越しではなく、生で皆様と同じ空間でメダロックライブに参加させていただきたかったですから!
 その後、
「じゃ、関係者スペースですね?」
「女性専用スペースがいいんじゃないですかね?」
「おお! 女性専用スペース! いいですね!」
……というやり取りを、お二人でされていました。
 うのへえ様と糸賀様のお気遣いにも、心が温まりました。

 そして私と娘は、急ぎ控室を後にして下に降りました。
 メダロックライブ第一部の開始時間は、すぐそこまで迫っていました。
 私と娘は慌てて物販コーナーに並び、滑り込みで他のメダロックグッズと共にペンライトを二本購入しました。
 ペンライトはぜひともゲットしてライブで振りたかったので、間に合って良かったです。

メダロックグッズ
メダロックライブ(+グラフアートショップ)で購入したグッズです。

 そしていよいよ、ライブ会場入りです。ここでも関係者とお伝えしたら、入れていただけました。
 関係者シールを見える場所に貼っていましたし、堂々としていればいいと思うのですが、「関係者」とお伝えするのが毎度緊張して噛み噛みで、挙動も不審になっていました。私は全く「関係者」慣れしておりません。
 中に入ると、ファンシーエールカードと抽選券を娘の分と2枚ずついただきました。グッズ購入の分も合わせて、ファンシーエールカードは4枚となりました。
 何の段取りもお聞きしていなかった私は、何の抽選券だろう? と首を傾げながら受け取りました(この抽選権が後に私の運命を変えたのですが、この時の私にはまだそんな予感すらありませんでした)。
 うのへえ様は、あえて私に何もお伝えにならなかったのだと思います。
 極力観客目線でライブを楽しむ、というのが制作陣の中で私だけに許された特権でした。
 私自身、皆様と同じようにできるだけ純粋に楽しみたかったので、何も知らされていないことがありがたかったです。

 スタッフの方に会場に通されたのですが、「関係者」としかお伝えしていなかったので、女性スペースではなく関係者スペースに案内していただきました。
 私としましてはどちらでも問題なかったので、そのまま娘と関係者スペースに入りました。
 私たちは最後の方で会場入りしたので、関係者スペースの中でも一番後ろになりました。
 オールスタンディングなので、ステージは隠れて見えない部分もありましたが、私の右斜め前にはステージ画面を映すモニターが見えました。
 モニターのスペースには撮影の方と、うのへえ様、糸賀様が待機しておられました。
 そして私の左斜め前(娘の隣)には先生がいらっしゃったような気がするのですが、後ろ姿でマスクをされていたので確信はありません。
 関係者スペースも満員でしたが、皆様後ろ姿でお顔が見えず、またそもそもお会いしたことのない方がほとんどでしたので、どなたがどこにいらっしゃったのかは分かりませんでした。
(続く)

3+

平野 佳菜のブログ

平野 佳菜と申します。 メダロット初代ではグラフィックとシナリオ監修、メダロット2~4では主にシナリオを担当していました。

メダロックCDの作詞もさせていただきました。
メダロット+ロック=メダロックです。

現在はFロボプロジェクト進行中です。

Fロボプロジェクト

1+

敵メダロット構成悲喜交々

 シナリオ屋がゲーム開発スタッフであることのメリットでお話ししたように、イベントのシステム関連では私の要望が叶えられた一方で、敵メダロッターのメダロットたちの構成は、私のシナリオに合わせてもらえませんでした。
 私の希望でデザインしていただいたさくらちゃんの後継機、ネオさくらちゃん(攻撃パーツを持たない、応援メダロット)がコウジのリーダー機にされたときは愕然としました。

コウジ「おれは いつだって 本気だぜ!」

 コウジの本気とは一体……。
 私の脳裏には、がむしゃら特攻で真っ先に散ったエクサイズ(こちらが本来のライバル機)と、残されたネオさくらちゃんが両腕のポンポンを振り回し超高速で応援を繰り返すシュールな図が焼きついております。
 ロボトルの戦略としてはアリだと思うだけに、何とも言えない気持ちになるのです。
 何より、ネオさくらちゃんの間の抜けたゆる~いデザインは、 カッコいいライバル機のイメージからかけ離れておりました。
……ちなみにネオさくらちゃんの元となったさくらちゃんを発案したのは私で、さくらちゃんシリーズ自体は今でも大好きです。
 ですが私は、さくらちゃんをライバル機のイメージで発案したわけではなかったのです。

 ライバルのコウジだけではなく、ヒロインのアリカのメダロット構成も、私の想定外のものでした。
 アリカに関して私は、ゲームの初期段階で対戦する練習相手と考えていました。ところがアリカは私の想定を遥かに超えて、強すぎたのでした。
 そのため私が用意したアリカのセリフと、アリカ自身の強さが噛み合っていないという現象が起こりました。

 アリカ「かよわい女の子だからって 手をぬかないでよ!」

 かよわさとは、一体……。
 元々女型しか使わないアリカ相手に、初期段階で女型限定ロボトルのイベントを入れてしまった私は焦りました。
 ヘタすれば詰みかねないと思ったからです。

 アリカ「もーちょっと 手かげんしてくれたって いーじゃない!」

 手加減して勝てる相手ではなかったと思われます。
 私が「なんでコウジにネオさくらちゃん!?」「ライバルのコウジよりアリカの方が強いんじゃ?」と指摘しても、「面白いじゃないですか」と返されてそのままでした。

 ならばと私は、アリカが単身でロボロボアジトを壊滅させるイベントを作りました(メダロックCDの「愛しきロボロボ団」の歌詞にも、そのエピソードは入れました)。
 アリカならロボロボ団員が何匹出ようとも、一人で余裕だと思ったのです。
 アリカのメダロット構成を私のシナリオに合わせてもらえなかったので、私の方がアリカの強さにシナリオを合わせました。
 このヒロインによる敵アジト殲滅イベントは、イッキだけでなくプレイヤーの皆様も「アリカなら……」とご納得いただけたのではないでしょうか。

 さらに私の想定外のメダロット構成は、コウジとアリカだけではありませんでした。
 メダロット4で登場させた四天王(中ボス)の一人、コクエンの メダロット構成に、私は衝撃を受けました。

コクエン「なんで 勝てねぇんだよッ!!
 こいつは だれにも まけない
 どんな ヤツでも ぶっこわせる
 さいきょうの メダロットじゃ
 なかったのかよ!?」

 私がそんなセリフを用意したコクエンのメダロットたちの能力は、「地形効果」でした。
 地形効果はその名の通り、バトルフィールドを変更するという効果です。
 よって地形効果だけでは、何一つぶっ壊せません(もちろん、他のメダロットやパーツとの組み合わせ次第ではありますが)。
 私が想定していたコクエンのメダロットは、 攻撃力の高いパーツを持つメダロットでした。
 台詞とメダロット構成のちぐはぐな組み合わせにより、比較的シリアスなシーンのセリフのはずが、ギャグパートのようになってしまいました……。
 ちなみに他の三天王のメダロット構成に関しましては、コクエンのインパクトが強すぎてあまり気になりませんでした。

メダロットでは毎度おなじみとなってしまった「敵構成がシナリオを書いた人間の想定外」というこの現象は通常、小説や漫画等ではなかなか起こらないのではないかと思うのです。
 そんな開けてビックリなメダロット構成でしたが、結局は餅は餅屋、ロボトルはロボトル屋にお任せが一番だと思いました。
……メダロットのバトル、ロボトルは、私というシナリオ屋の想定外なところが面白かったのかもしれません。

3+

本業は……

糸賀様より初めてお電話をいただいた時の会話です
糸「ちなみに平野さんは、メダロットとはどのような関わりを……」
平「メダロット1の時はグラフィックとシナリオ監修とマップレイアウト、イベントスクリプト、2の時はシナリオとマップレイアウトと、イベントスクリプトで3はそれに加えてディレクター、そして4ではシナリオと……」
糸「わ、分かりました! 分かりました!」
……こんな感じでした
細かく言えばゲーム開発全般に関わる業務を他にも色々やっておりましたが、本業はシナリオ屋……です

3+

メダロック 愛しきロボロボ団

ロボロボ団の歌詞に関しましては、メダロット開発当時、音屋の上司さんが「ロボ~ロ~ボだ~ん♪……ええやろ?」と歌ってらっしゃったので、「ロボロボ団」の部分はそのまま歌詞にしました
音屋さんが歌ってらっしゃったのですから、きっとこれで正解なのだと思います

1+